音楽の世界には膨大な数のアーティストと楽曲が存在しますが、それらを体系的に整理し、誰でもアクセスできるようにした先駆的な存在がAllMusicです。300万件以上のアルバムエントリーと3,000万曲を超えるトラック情報を網羅するこのオンラインデータベースは、単なるレビューサイトを超え、音楽の構造を解き明かす巨大なアーカイブとして機能しています。

Key Facts

  • 設立年:1991年(All Music Guideとして始動)
  • 運営会社:RhythmOne(2015年より所有)
  • コンテンツ量:300万件以上のアルバム、3,000万曲以上のトラック情報を収録
  • 最大の特徴:1,400種類に及ぶ詳細なサブジャンルの分類体系
  • 創設者:マイケル・エルルワイン

AllMusicの誕生と進化の軌跡

AllMusicの原点は、創設者マイケル・エルルワイン氏の個人的な不満にありました。1990年代初頭、CDへの移行が進む中で、彼は購入したリトル・リチャードのCDが期待していた初期録音ではなく、質の低い再録音であったことに失望しました。この経験から、正確なメタデータ(データに関するデータ)を用いて音楽を管理するガイドの必要性を痛感し、ミシガン州ビッグラピッズで「All Music Guide」を立ち上げたのです。

当初は1992年に発行された1,200ページの書籍とCD-ROMのセットとして提供されていましたが、1994年にはテキストベースのGopherサイトとしてインターネットに登場しました。その後、ウェブブラウザの普及に合わせて現在のWorld Wide Web形式へと移行し、利便性を高めていきました。

専門的な分類体系の構築

AllMusicを唯一無二の存在にしたのは、その徹底した分類学的なアプローチです。エンジニアのウラジミール・ボグダノフ氏やライターのステファン・トーマス・エルルワイン氏らを迎え、音楽のスタイルやトーン、販売プラットフォームまでを紐付けた緻密なデータベースを構築しました。特に1,400ものサブジャンルを定義したことで、クラシックのような巨大なジャンルから「サドコア」のような極めてニッチなスタイルまでを論理的に繋げることが可能になりました。

所有権の変遷と事業拡大

サービスの成長に伴い、AllMusicは数回の所有権移転を経験しています。1996年にアライアンス・エンターテインメント社に350万ドルで売却された後、1999年にはミシガン州アンアーバーへ拠点を移し、スタッフ数を100名規模に拡大しました。この時期にはすでに35万枚のアルバムと200万曲がカタログ化されていました。

その後、2007年にはTiVo(当時のMacrovision/Rovi)が7,200万ドルで買収し、2015年からはBlinkX(後のRhythmOne)の傘下となりました。技術面では、MySQLとMongoDBを組み合わせたハイブリッドなデータベース構成によって、膨大なデータの高速処理を実現しています。

出版物としての展開

オンライン展開と並行して、特定のジャンルを深く掘り下げた「The Definitive Guide」シリーズなどの書籍も出版されました。これにより、デジタル時代以前の音楽ファンにもその知見が届けられました。

All Music Guide 主要出版シリーズ
シリーズ名 対象ジャンル・内容 備考
The Definitive Guide ポピュラー、ジャズ、ロック、ブルース、ヒップホップ等 各ジャンルの決定版ガイド
Required Listening クラシックロック、カントリー、オールドスクール・ラップ等 必聴作品の選定集
Annual Guides 年間の録音作品(例:2002年、2003年の音楽) 年次レビュー

Frequently Asked Questions

AllMusicとはどのようなサイトですか?

アーティスト、アルバム、楽曲に関する膨大な情報を収録したアメリカのオンライン音楽データベースです。専門家によるレビューやバイオグラフィー、詳細なジャンル分類を提供しています。

どのような基準で音楽を分類していますか?

単なる大まかなジャンル分けではなく、1,400以上の詳細なサブジャンルを用いて、音楽のスタイルやトーンに基づいて体系的に分類しています。

誰がこのサイトを創設したのですか?

音楽家であり、アーカイブ収集に情熱を持つマイケル・エルルワイン氏によって1991年に創設されました。

現在は誰が運営していますか?

2015年以降、RhythmOne社が所有し、運営しています。

利用に登録は必要ですか?

登録はオプション(任意)となっており、基本的には誰でもデータベースにアクセスして情報を閲覧することが可能です。