1968年2月12日に開催された第25回ゴールデングローブ賞は、1967年の映画およびテレビ界の功績を称える華やかな祭典でした。しかし、この回の授賞式は単なる栄誉の場に留まらず、後の放送業界に大きな影響を与える深刻な不祥事へと発展することになります。
Key Facts
- 開催日:1968年2月12日(1967年の作品を対象)
- 最大受賞作:映画『卒業』が5部門で受賞し、最多記録を樹立
- 重大な不祥事:FCC(連邦通信委員会)によるNBCの放送禁止処分
- 禁止期間:不適切な選考プロセスなどが原因で、1974年まで放送が停止
- 特別賞:カーク・ダグラスがセシル・B・デミル人道賞を受賞
栄光の裏側にあった放送禁止騒動
この年の授賞式後、アメリカの放送規制当局であるFCC(連邦通信委員会)は、NBCによるゴールデングローブ賞の放送に対して厳しい禁止措置を講じました。この決定の背景には、賞の選考プロセスにおける不透明さと、視聴者を欺くような運営実態があったとされています。
具体的には、放送の広告主が受賞者を決定していたことや、ハリウッド外国記者協会(HFPA)がノミネート者に対し、「出席しなければ、欠席者の賞を出席している敗者に与える」という脅しをかけて出席を強要していたことが問題視されました。また、映画評論家のレックス・リードは、当時の状況を「信じがたい放送だった」と批判的に記述しています。
こうした不公正な運営により、NBCは1974年まで同賞の放送を禁じられました。その後、放送は再開されましたが、1982年のピア・ザドラを巡るスキャンダルを経て、NBCは再びHFPAとの契約を打ち切ることになります。
1967年度の主要受賞作品と俳優たち
不祥事の影にありながら、作品面では映画史に残る名作が数多く評価されました。特にマイク・ニコルズ監督の『卒業』は、作品賞(ミュージカル・コメディ部門)をはじめとする多くの賞を総なめにし、ダスティン・ホフマンの鮮烈な演技が注目を集めました。
ドラマ部門では『夜の静寂に』が作品賞に輝き、シドニー・ポイティアなどの実力派俳優が個人の演技賞を獲得しました。また、音楽部門では『キャメロット』や『ドクター・ドリトル』などの楽曲やスコアが高く評価されました。
映画・テレビ部門の受賞まとめ
| 部門 | 受賞作品 / 受賞者 | 作品名 / 役名 |
|---|---|---|
| 作品賞(ドラマ) | 夜の静寂に | - |
| 作品賞(コメディ・ミュージカル) | 卒業 | - |
| 主演男優賞(ドラマ) | シドニー・ポイティア | 夜の静寂に |
| 主演女優賞(ドラマ) | フェイ・ダナウェイ | ボニー&クライド |
| 主演男優賞(コメディ・ミュージカル) | ダスティン・ホフマン | 卒業 |
| 主演女優賞(コメディ・ミュージカル) | アン・バンクロフト | 卒業 |
| テレビシリーズ賞 | ミッション:インポッシブル | - |
| セシル・B・デミル賞 | カーク・ダグラス | - |
テレビ部門と特別賞の動向
テレビ部門では、『ミッション:インポッシブル』がシリーズ賞と主演男優賞(マーティン・ランドー)の2冠を達成し、当時の高い人気を証明しました。また、個人の功績を称える特別賞では、カーク・ダグラスが人道的な貢献を認められ、セシル・B・デミル賞を受賞しています。
世界的な人気を競う部門では、ポール・ニューマンが男性部門、ジュリー・アンドリュースが女性部門でそれぞれ「ワールド・フィルム・フェイバリット」に選出されました。
Frequently Asked Questions
なぜNBCはゴールデングローブ賞の放送を禁止されたのですか?
FCC(連邦通信委員会)が、広告主が受賞者を決定していたことや、HFPAがノミネート者に強引な出席を迫っていたことなど、選考プロセスの不透明さが視聴者を誤導していると判断したためです。
放送禁止措置はいつまで続いたのでしょうか?
1968年の授賞式後に課された放送禁止処分は、1974年まで続きました。
この回で最も多くの賞を獲得した映画は何ですか?
映画『卒業』が5つの部門で受賞し、最多受賞作品となりました。
カーク・ダグラスはどのような賞を受賞しましたか?
彼は人道的な活動を称える「セシル・B・デミル人道賞」を受賞しました。
テレビ部門で高く評価された作品は何ですか?
『ミッション:インポッシブル』が作品賞と主演男優賞の2部門で受賞し、高い評価を得ました。
References
- "The Scandals that Nearly Ended the Golden Globes". projectcasting.com. Project Casting. Retrieved August 17, 2023.
- Reed, Rex (1969). Conversations in the Raw (First ed.). New York: World Publishing Co. pp. 105–106.